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遺言に関するQ&Aです。参考にして下さい。

遺言書(自筆証書遺言)を見つけたら、

家庭裁判所に遺言の検認手続きをする必要があります。

遺言書が封筒に入っていて封印がされている場合は、

封を開けずに検認の手続きをして下さい。

検認手続きを申請すると家庭裁判所は相続人を呼び出して、

相続人の立会いの下で遺言書を開封します。

検認手続きが終わると、

遺言書に検認済証明書を付けてもらう必要がありますので、

検認済証明書の申請をしてください。

これは、遺言書1通につき150円分の収入印紙と申立人の印鑑が必要となります。

遺言書の最後のページに検認済証明書をホッチキスで綴じてくれます。

 

検認手続き

検認というのは、

遺言書の現状を確認して記録する手続きです。

相続人に対して遺言の存在及びその内容を知らせるとともに、

遺言書の形状、加除訂正の状態、日付、署名など

検認の日現在における遺言書の内容を明確にして

遺言書の偽造・変造を防止するための手続です。

この手続きは、遺言が有効であるとか無効であるとかを判断するものではありません。

 

検認の効果

検認手続きを行っていない遺言書も遺言としては有効です。

しかし、検認手続きを行っていない自筆証書の遺言書を用いて

土地や建物の相続による所有権移転登記は、

法務局が受け付けてくれません、却下されます。

 

勝手に

遺言書の保管者や発見者が

遺言書の提出を怠ったり検認をしないで遺言執行した

封印のある遺言書を勝手に開けてしまった場合、

5万円以下の過料になってしまいますので注意して下さい。

自筆証書による遺言書の検認期日の審問調書に、

相続人中の一人が、

「遺言書は遺言者の自筆によるものではなく押印は遺言者の使用印ではないと思う。」

旨の陳述をしたとの記載がある場合

この遺言書を用いて相続登記ができますか?

 

検認の手続き期日に出席した相続人から上記のような発言があったのですね。

そして、この遺言書を用いた相続登記は法務局では受理されないようです。

そこで、どうするかというと、

上記の発言をした相続人に「遺言内容による登記の申請に異議がない」旨の

の証明書(印鑑証明書付)を作成してもらい相続登記を行うということです。

(平成10年11月26日民三第2275号)

検認の手続きの中で上記のような発言をした相続人から異議ない旨の証明書を

作ってもらえるかどうかですね。

かなりハードルは高いと思います。

父は生前に「公証役場で遺言を作っておいたからな」と言っていましたが、

亡くなってから遺品を整理していてもその公正証書の遺言書が見つかりません。

父は本当に公正証書で遺言書を作成したのでしょうか。

調べる方法はありますか?

 

調べる方法があります。

「遺言検索システム」が日本公証人連合会で運用されています。

したがって登録されている公正証書の遺言書は検索可能です。

近くの公証役場に検索調査の依頼をしてみてください。

なお、調査依頼する場合には次の書類等が必要となります。

●被相続人の死亡した記載のある戸籍謄本(除籍謄本)

●調査依頼する人が被相続人の相続人であることを証明するための戸籍謄本等

●調査依頼する人の身分を証明する運転免許証など

 

依頼を受けた公証役場では、日本公証人連合会に検索の依頼をして

検索の結果を得て、調査依頼した人に回答します。

遺言は自分の財産を相続人などに分け与える方法を記載する以外に

記載できることはないのですか?

 

自分は財産がないからといって、遺言書を作成することを

まるで考えていない方がいます(多いです)。

遺言の一番の意味は、やはり自分の財産を分け与える方法・内容を

相続人に伝えることですから、

そのように考えるのも仕方ないことと思います。

しかし、遺言は財産の分配方法を記載するだけでなく、

例えば自分の希望する葬儀の方法を記載してそのような葬儀を執り行ってもらうとか、

今少し流行っている海洋散骨をして欲しいということかも記載していいのです。

 

遺言には次のようなことを記載することができます。

 1.推定相続人の廃除およびその取消   

 2.相続分の指定および指定の委託

 3.遺産分割方法の指定および指定の委託、遺産分割の禁止

 4.相続人相互の担保責任の指定

 5.遺留分減殺方法の指定

 6.遺贈

 7.財団法人設立のための寄付行為

 8.信託法上の信託の設定

 9.認知

 10.未成年後見人の指定、未成年後見監督人の指定

 11.遺言執行者の指定および指定の委託

自筆証書遺言と公正証書遺言のどちらで遺言書を作った方が良いと思いますか?

 

結論からいうと、私は公正証書遺言の作成をお勧めします。

自筆証書遺言

 ●遺言自体が形式的な要件に合わず無効になることがある

 ●遺言は有効だが記載の内容に不備があり登記ができないことがある

 ●保存方法を間違えると発見されない

 ●検認手続きが必要となり面倒

 ○費用がかからない

 ○誰にも知られず内緒で作れる

公正証書遺言

 ○遺言は形式的に無効になることはない

 ○一応、遺言能力については公証人が確認しているので安心

 ○登記する内容についても登記簿などで物件確認のうえ作成しているので、 

  登記できないことはない(と思う。)

 ○検認手続きは不要なのですぐ相続手続きが進められる

 ●費用がかかる

 ●基本的には公証役場に出向くので体の不自由な人には不便

  (出張もあるけど費用がさらにかかる)

 ●内容を秘密にしたいが、証人二人と公証人には知れてしまう。

 

今までの経験で、

検認後の自筆証書の遺言書をお持ちになって相続登記の依頼がありましたが、

登記が出来ない依頼が数件ありました。

遺言の内容が

「全ての財産を〇〇に相続させる」というようにわかりやすいものであれば

それほど問題はないと思うのですが、

例えば「Aの土地は〇〇に取得させる」

と記載したときにAという土地の表示方法が間違えられたりすると

遺言は有効だけど、登記ができなくなるおそれがあります。

また、自筆証書遺言の場合法律の決まりを守って記載されたものでないと

無効になってしまうことがあります。

パソコンで作った遺言書に署名押印しても無効です。

遺言書全部を自書(自分で手書きで書くこと)して日付を記載して署名押印します。

日付もしっかり記載してください。

訂正の仕方も決まっています。

 

自筆証書遺言を作成するならば、

専門家のアドバイスを受けながら

例えば

●遺言書(案)を作成してもらい、自筆でその内容を自書する

●書いた遺言を確認してもらう

などするのが良いと思います。

自筆証書遺言の作成方法とその訂正方法について教えてください。

 

自筆証遺言の作成と訂正方法は、民法968条に規定されています。

 ①自筆証書によって遺言をするには、

  遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、

  これに印を押さなければならない。

 ②自筆証書中の加除その他の変更は、

  遺言者が、その場所を指示し、

  これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、

  かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。

 

このように自筆証書による遺言の作成は、

遺言者が,①遺言書の内容全部を自分で記載します

       ②日付を自分で記載します

       ③氏名を自分で記載します

       ④印を自分で押します 

というように行います。

例えば、〇は有効。×は無効。△は場合によっては有効。

  ワープロ・タイプライター等で作成 ×

  他の人に代筆してもらう ×

  視力低下や手が震えるため他人に手を添えてもらって記載 △

  日付を平成23年11月吉日 ×

  押印を拇印 〇

  押印を三文判 〇(実印で作成した方が良い。)

 

記載内容の訂正や変更方法については、

勝手に変更されることを防ぐため、厳格なルールが定められています。

 ①削除する文字部分を二本線で消します(消した文字は読めるようにしておく)

 ②二本線の上に印鑑を押します(訂正印は氏名の後に押した印と同じもの)

 ③余白に訂正した箇所と文字数を付記します(例えば、3行目3字削除2字加入)

 ④余白に訂正した文字数を書いた脇に署名する

     例えば、3行目3字削除2字加入

          甲野太郎

     のように余白に記載する。

 

訂正方法を間違えると訂正の効力がありませんので、

訂正するなら書き直した方が良いと思います。

下書きしてから清書しましょう。

公正証書遺言の作成方法について教えてください。

 

公正証書遺言の作成方法については民法969条に規定されています。

 

公正証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。

①証人二人以上の立会いがあること。

②遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること。

③公証人が、遺言者の口述を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせ、

  又は閲覧させること。

④遺言者及び証人が、筆記の正確なことを承認した後、

  各自これに署名し、印を押すこと。

  ただし、遺言者が署名することができない場合は、

  公証人がその事由を付記して、署名に代えることができる。

⑤公証人が、その証書は前各号に掲げる方式に従って作ったものである旨を付記して、

  これに署名し、印を押すこと。

以上のように規定されています。

 

公正証書遺言は公証人に作成してもらう遺言です。

公証人が遺言の内容と遺言能力を確認して作成するため

無効になることは通常ありません。

公証役場で遺言書原本を保管するため保管の問題も大丈夫です。

 

公正書遺言を作成するには、 

①証人二人が必要になります。

 (証人及び立会人の欠格事由)
 第974条  次に掲げる者は、遺言の証人又は立会人となることができない。
 一 未成年者
 二 推定相続人及び受遺者並びにこれらの配偶者及び直系血族
 三 公証人の配偶者、四親等内の親族、書記及び使用人
 
 このように証人については欠格事由があるので注意してください。

②遺言者がどのような内容の遺言を作成するか伝えて公証人が筆記します。

③②の内容を遺言者と証人に読み聞かせて内容が正しいか確認します。

   ②と③については、事前に遺言者と公証人が打ち合わせをします。

   公証人は遺言者の内容や意思を理解するため、戸籍や不動産登記簿など

   資料を提出させて正確な内容を把握します。

   そして、遺言書の案を作成して事前に遺言者に確認してもらいます。

④正しいことを確認したら、遺言者と証人二人は遺言書に署名・押印します。

⑤公証人が遺言書に署名・押印します。

⑥公証役場で原本保存、正本は遺言者に渡されます。

 

公正証書作成に必要な書類等は次のとおりです。

●遺言をする方の戸籍謄本と住民票と印鑑証明書及び実印

●遺言により財産を取得する方の戸籍と住民票と印鑑証明書

●財産の内容がわかるもの

 土地建物の評価額証明書

 預貯金の残高証明書とか通帳

 株式の明細書(証券会社が発行してくれる)

 その他

●証人となる人の印鑑証明書と職業を記載したメモ

などです。

遺言書を作成しましたが気が変わりました。どうしたらよいでしょうか?

 

遺言書を作成してその後気が変わったり、他により良い遺言の案が浮かんだため、

以前作成した遺言を撤回したいとか変更したいと思うことがあると思います。

 

自筆証書遺言の場合には、次にようにすれば撤回や変更できます。

●自筆証書遺言が手元にあれば破り捨てる。→撤回になります。

●自筆証書遺言を破り捨てて、新しい遺言書を作成する。→変更になります。

●以前作成した遺言書を破り捨てたりしないが、それと異なる内容の遺言書を作成する。

 →この場合、作成日付の新しい遺言書が遺言者の最終的な意思を示すものとして

  有効になります。 

●平成○年○月○日作成の遺言を撤回する旨の遺言書を作成する。→撤回になります。

 

公正証書遺言の場合

●手元にある公正証書の遺言書を破っただけでは原本が公証役場に残っているので

 撤回したことにならない。

●平成○年○月○日作成の遺言を撤回する旨の遺言書を作成する。→撤回になります。

●撤回したい公正証書遺言と異なる内容の遺言書を作成する。

 →この場合、作成日付の新しい遺言書が遺言者の最終的な意思を示すものとして

  有効になります。

 

トラブルを防ぐためにも、前の遺言を破棄して、新たに作成するなどして、

明確にした方が良いでしょう。

 

それから、他にも遺言を撤回したことになることがあります。

遺言書で、「A土地は長男に相続させる」と記載しておいて、

生前にA土地を二男に贈与した。

この場合も遺言を撤回したことになります。

難しい言葉を使うと

前の遺言と抵触する行為をした場合には、抵触する部分は撤回されたことになります。

私には妻と子供二人います。妻に全部の財産を相続させようと思っています。

遺言で全財産を妻に相続させると記載すれば妻に全部の財産を渡せますか?

 

遺言で妻に全財産を相続させるという遺言は、

遺留分を侵害していますが有効です。

遺留分を侵害された相続人が遺留分減殺請求をしなかった場合は

遺言の内容である妻に全財産を相続させることができます。

 

遺留分とは、法定相続人に最低限保障された遺産の取り分のことです。

質問のような場合、配偶者と子供二人が法定相続人の場合は、

子供一人の遺留分は8分の1になります。

つまり、子供は最低8分の1の相続分は保障されていることになります。

 

遺留分減殺請求とは、遺留分より少ない財産しか相続させないとか、

相続分はないという内容の遺言がされた場合、

その遺言は遺留分を侵害しているといいます。

遺留分を侵害された相続人は、余分に相続した相続人や遺贈者に対して、

遺留分を返すように請求することを遺留分減殺請求といいます。

遺留分減殺請求をするかどうかは侵害された相続人が決めることができます。

遺留分減殺請求をしなくてもかまいません。

 

遺留分減殺請求ができる期間は、

①相続が開始したこと及び遺留分が侵害された贈与や遺贈が

  あったことを知ったときから1年間

②相続開始から10年間

です。

遺言執行者とはどんなひとですか? 誰がなるのですか?

 

遺言の内容の実現のために必要な事務を行う権限を有する者です。

遺言の内容を実現するとは、遺言を執行するということです。

遺言執行者は遺言の中で指定できます。

遺言執行者は誰でもなれます。弁護士とか法律家でなくてもなれます。

 

遺言執行者は全ての場合に必要ではありません。

必ず必要なのは、「認知」、「推定相続人の廃除・取消」の場合です。

しかし、遺言執行者がいるとスムーズに手続きが進むことができますので、

遺言の中で決めておくのが良いと思います。

例えば、Aさんが公正証書遺言で土地を甲さんに遺贈させると記載してあるので、

甲は、Aさん死亡後、その土地を遺贈で自分の名義に変更しようと思ったが、

その名義変更には、Aさんの相続人の協力が必要になってしまいます。

Aさんの相続人の中には、他人に財産を名義変更されることを

快く思わない人もいるでしょう。

なかなか手続きが進まないこともあると思います。

このような場合は、甲さんを遺言執行者に指定しておきます。

そうすれば、自分が遺言執行者ですから自分一人で自分の名義に変更できます。

遺贈とはなんですか、相続とは違うのですか?

 

遺言で法定相続人に相続させる場合 → 相続

遺言で法定相続人ではない人に財産を与える場合 → 遺贈

ということです。

ただし、遺言で法定相続人に対して遺贈すると記載したときは遺贈になります。

 

遺贈には、特定遺贈と包括遺贈があります。

 

特定遺贈とは、「〇〇の土地を遺贈する」とか「ダイヤの指輪を遺贈する」と

いうように、特定の財産を承継する人を遺言で定める場合をいいます。

 

包括遺贈とは、「財産の〇分の1を遺贈する」というように、

承継させる割合を定める場合をいいます。

自分が死亡すると面倒を見てくれない道楽息子には相続させたくないと思っています。

どのような方法があるでしょうか?

 

「相続人の廃除」という制度があります。

これは、推定相続人に、遺産を相続させないための手段です。

生前でもこの推定相続人の廃除の請求を家庭裁判所にすることはできますが

遺言でもできます。

(推定相続人とは、相続が開始した場合に相続人になる人をいいます。)

 

ただし、相続人の廃除は簡単には認められません。

そりゃそうですよね。相続人の資格を奪ってしまうのですからね。

廃除が認められるためには、

相続人に廃除原因と呼ばれる理由がなければいけません。

廃除原因は、民法892条によると、

①被相続人に対して虐待をした

②被相続人に対して重大な侮辱を加えた

③推定相続人に対して著しい非行があった

というように定められています。

この要件(理由)があるかどうかを家庭裁判所が審査します。

この要件が認められない場合には、廃除は認められません。

 

質問の場合、道楽息子さんの道楽具合が、

著しい非行かどうかが問題となるところでしょう。

 

遺言によって推定相続人の廃除をする場合には、

遺言に廃除する旨を記載して行います。

(具体的にどのような事実があったことも記載しておくことも大事でしょう。)

遺言による場合は、

遺言執行者が廃除の請求を家庭裁判所に申立てることになります。

廃除原因の要件があることと家庭裁判所の審査があることは

生前に廃除請求する場合と同じです。

 

廃除が認められる基準は、

被相続人はその主観的な認識に基づいて、

上記の分類①虐待された②侮辱された③非行があるから廃除の申立を行います。

これに対して裁判所は、推定相続人の行為によって、

被相続人と推定相続人間の信頼関係が破壊されたと評価できるかを

判断基準としています。

したがって、

それが、被相続人の一時の激情によって申立に及んだ場合(大判大11.7.25)や、

当事者間の信頼関係が修復可能と判断された場合には、

廃除は認められないと考えられます。

 

平成22年度司法統計を見たら、

廃除と取消しは総数278件、旧受93件、新受185件。

容認件数は19件。

簡単には容認されてないです。

 

(遺言による推定相続人の廃除)

第893条

被相続人が遺言で推定相続人を廃除する意思を表示したときは

遺言執行者はその遺言が効力を生じた後、遅滞なく、

その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求しなければならない

この場合においてその推定相続人の廃除は

被相続人の死亡の時にさかのぼってその効力を生ずる。

 

遺言による相続人廃除の請求は、

遺言執行者が遺言の効力発生後(被相続人の死亡後)に行うので、

廃除の審判がでるのは相続開始後になります。

相続が開始した時には相続人が廃除されていないので

推定相続人が遺留分を主張できたら全く無意味な規定となってしまいます。

そこで廃除の効力を被相続人が死亡した時まで

遡及(さかのぼらせる)させることを明らかにしました。

お世話になった人や親身に世話をしてくれたヘルパーさんに財産の一部を

自分の死亡後にあげたいと思っています。どうすれば良いでしょう?

 

相続人でない人に死亡後に財産をあげる方法は、

遺言にその旨を記載して、

遺贈するのが良いと思います。

次のように記載することになります。

 

    遺 言 書

遺言者甲野太郎は、次のとおり遺言する。

遺言者は、ヘルパーとして私の介護を一生懸命してくれたお礼として、

丙野一子に対して、

私の所有する土地(所在、地番、地目、地積記載)を遺贈する。

 略

その他には、死因贈与という方法もあります。

遺言書は何才から作れますか?

 

上記の質問に関連する民法の条文を紹介します。

民法第961条

 十五歳に達した者は、遺言をすることができる。 

民法第962条

 第5条、第9条、第13条及び第17条の規定は、遺言については、

 適用しない。 

民法第963条

 遺言者は、遺言をする時においてその能力を有しなければならない。

 

遺言書の作成時点で、15歳以上でなければ遺言は作成できないということです。

15才未満の時に遺言を作成して、15才を超えた時に死亡しても

その遺言は無効です。

作成日は、遺言書に記載するのでその日付から判断します。


15才になれば遺言できることは、上記の説明でわかっていただけたと思います。

 

さらに、未成年者であることを考えた場合に、

遺言を作るのに、親の同意が必要なのかどうかという点については、

民法962条で、

「第5条、第9条、第13条及び第17条の規定は、遺言については、適用しない。」

と定めています。

つまり遺言については、

民法5条1項の

「未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。」

という規定も、

民法5条2項の

「前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。」

という規定も適用がありません。

 

したがって、15才以上であれば親の同意がなくても遺言することができて、

親の同意がない遺言だからといって遺言が取り消されることはありません。

ただし、意思能力は必要です。

意思能力とは事理を弁識する能力です。

一般的に意思能力は小学校高学年頃には備わるらしいです。

ペットに財産を残したいと考えていますができるのでしょうか?

 

ペット(例えばかわいがっている犬や猫)は、

法律上は「物」として扱われているため、

権利能力がありません。

したがって、財産を所有することができません。

遺言でペットに全財産を遺贈すると記載しても

遺言のとおりに執行することができません。

 

そこで、考えられる方法としては、

身近にペットの面倒を見てくれる信用のおける人を探しておいて、

自分の死亡後のペットの面倒をお願いをしておくことです。

そして、死亡後に財産を譲るので、その代わりにペットの面倒をみてもらう

という内容の遺言を作成します。

これを負担付遺贈といいます。

負担付遺贈は放棄することができるので、事前にOKをもらっておかないと

心配ですね。

私の死亡後は、内縁の妻に財産を残してあげたいと考えています。

 

Q13を参考にしてください。

いろいろな事情があって認知できなかった子がいます。

遺言で子を認知することができますか?

 

遺言で認知をすることができます。

遺言書の記載例(簡略化して記載します。)

 

   遺言書

遺言者甲野太郎は次のとおり遺言する。

次の者は遺言者と〇〇との間の子であるから、遺言者はこれを認知する。

本籍 ・・・・・・・

氏名 △△△ 

平成  年  月  日

住所・・・・ 

氏名 甲野太郎 印

 

遺言による認知の場合、遺言執行者が戸籍法にしたがって届出をします。

遺言の付言事項とはなんですか?

 

遺言には、遺産をどのように分けるとか、葬儀のことや

Q4で記載した遺言でできることなどを記載します。

 

では、その他のことは記載してはいけないのでしょうか。

いいえ、そんなことはありません。

法律で決められた形式や内容を守る限り様々なことを記載してかまいません。

 

遺言書の最後の部分に 「付言事項」 として、

相続人に「伝えたい思いやメッセージ」、「遺言書を作成した理由」などを記載します。

私が遺言書案の作成の依頼を受けた場合には、

必ず付言事項のことを説明して記載していただくようにしています。

特に遺言の内容が遺留分を侵害するような場合、

法定相続分とは違うような場合、

つまり、相続分が少ない人に対するメッセージを丁寧に考えてもらい起案します。

どうしてこのような不平等な遺言にしたかを理解してもらいます。

遺言者の意思(気持ち)を理解してもらえば、

遺留分減殺請求がされない可能性があります。

相続人間のトラブルも減ると思います。

民法は、寄与分の指定を遺言事項としていないため、

遺言で特定の相続人の寄与分を遺言で定めることはできません。

 

この場合、寄与してくれた相続人に多くの財産を相続させたいのならば、

相続分の指定や遺産分割方法の指定を行って、

その相続人に財産を多く取得させれば良いことになります。

そして、そのような遺言を書いた理由を付言事項に記載しておけば

多く相続させた理由がわかります。

封がされている自筆証書遺言は、家庭裁判所で開封しなければなりません。

では、その前に開封してしまったら、その遺言書は無効になるのでしょうか?

 

無効になると勘違いしている人が多いですが、

遺言書が無効になることはありません。

 

しかし、勝手に開封すると5万円以下の過料に処せられますので、

開封はしてはいけません。

※過料とは罰金みたいなものですが、刑罰ではありません。

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